頭の中が忙しい

自閉症スペクトラムと付き合いながら今日も育児をがんばる日記

VERYなんて誰が読むんだろうと思っていた話

VERYというおしゃれママ雑誌があります。
私がこの雑誌の存在を初めて知ったのは、2chまとめサイトで「VERYのキャッチコピーがまるで大喜利」とネタにされていたのを見たのがきっかけでした。

確か「ゆるトラの母がいる」(ゆるいトラッドスタイルの母とウルトラの母をかけているらしい)みたいなキャッチコピーがおしゃれな表紙にデカデカと書かれていて、当時独身だった私は何だこれ、シュールだなと思っただけでした。

それからたまに病院の待合室なんかで置かれていると手に取るようになり、読んでいくと内容もなかなかパンチが効いていて、

「(子作りの計画で)2歳差兄弟派ママと3歳差兄弟派ママの徹底議論」という特集で、お受験や保活の上で一番有利な年の差や生まれ月を討論していたり、

「子連れでオープンカフェに行ったときに様になるコーディネート特集」ではパパと子供達の洋服もカフェに馴染むようおしゃれにトータルコーディネートを組んで一家でキメ決めでカフェで談笑する写真が載っていたり…なかなか斬新だと思いました。

正直、母親になってまで、おしゃれにスマートにライフスタイルをコーディネートしないといけないかな、と冷めた目で見ていました。



出産を経て、ようやく外出もできるようになってきたこの頃、さておしゃれをしようと思っても何を着ていいかわからなくなっています。

1年前は妊婦だったので、冬服は2年以上前に買ったものばかりだし、子供の世話を考えるとビジュー付きとか真っ白ニットとか避けたいものもたくさんあるので着られるものが限られます。

それで久々に雑誌を読んでみるのですが、妊娠前好きだったoggiとかBAILAは働く女性向けで、載っている服の価格帯も高過ぎて参考になりません。

じゃあmamagirlみたいなママ向け雑誌はというとカジュアルすぎる雰囲気が好みに合わないし、節約とか料理とか生活感にあふれていて夢がない。

それで久々VERYを見てみると、きれいめな服装なんだけど公園に行く時の防寒対策載っていたり、ZARAUNIQLOの特集が組まれていたり、思いの外実用的な内容になっていることに初めて気が付きました。

今月号(2月号)では

「この冬、自分をもっと愛してあげたい」

という特集が組まれていて、美容院で他人に髪を洗ってもらうのがたまらない癒し、とか、子供達のお迎え前に一人でパフェを食べる、とか、友達同士で夜飲みに行く、とか、「ママ達が自分のためにやりたいこと」が列挙されていて、思わず共感してしまいました。

VERYは、生活感にまみれて、女らしさとか大人としての自分が完全に消えてしまう感じが寂しい、と感じている母親たちに現実的な夢を見させる雑誌なんだと思います。


じゃあ本当にVERY妻のような生活感を送りたいかというと、それは違うんですけどね。

母になっても輝いている私!と張り切って生きるのもなんかこっ恥ずかしいし、そもそもこれを真似しようと思ったらお金も全然足りないし。

母になってもおしゃれな私!
母になっても仕事も家事も完璧な私!

と「母になっても」をアイデンティティにして生きるということは、結局「母であること」が最大のアイデンティティになってしまっていると思うんです。

だから私は「母なのに」「母だから」という枕詞は抜きにして、自分が好きなこと、やりたいこと、できることは見失わずにやっていきたいと思います。

服装に関しても、雑誌を見るうちに、結局みすぼらしくない格好、ダサくない格好をできれば私は満足なんだと気付きました。そんなコーディネートは無難すぎてどの雑誌を見ても見つからないと思うので、雑誌からは夢だけもらおうと思います。