頭の中が忙しい

自閉症スペクトラムと付き合いながら今日も育児をがんばる日記

ふてくされるというリフレッシュ

うつになって、リフレッシュ方法をずっと模索してきた。

ヨガ、瞑想、散歩、写経、大人の塗り絵、刺繍、羊毛フェルト、ケーキ作り、プール…

どれもそれなりに夢中になってやった。
良くも悪くも、私の発達障害の特性上やるとなったらとことんやる。

アプリを使って運動の記録をつけたり、手芸関係は教室に行って作品が作れるまでになりフリマに出店までした。

夢中になってやれたことは楽しかったし世界は広がった。だけどいつしかノルマになり自分を追い込む方向に変わってしまう。

こりではだめだと、ほどほどを心がけるけれどなんか物足りなくなってしまう。

そして何より、本当にうつの波がひどい時はどれもしんどくて手につかなかったからどん底脱出の助けにはならなかった。

つい先日の夜のこと。いつものように夫が夕方帰宅して夕飯を摂り、子供をお風呂に入れてくれた。それでも子供はまだまだ遊んで欲しいとせがむ。
しかし夫は「今日の自分の仕事は終わり」とばかりに自分の部屋へ行きパソコンをさわり始めた。

それで私が自然と子供が寝るまでの遊び相手と寝かしつけをする流れになった。

子供と添い寝して優しくトントンしているといつもなら考えがアレコレ頭を賑わせるのにその日はぼんやり靄がかかったように何も浮かばない。そしてふいに「あ、私もうダメだ」と何かがキレるのを感じた。

いつもなら子供が寝たら急いでお風呂に入りさっさと寝てしまうけど、この日は財布だけつかんで家を出た。

家を一歩出ると、久しぶりに夜出歩いていることに気づいた。そして急に涙が出てきた。

泣きながら歩いていると色んな感情が溢れてきた。

子供の後追いがひどくて私は好きなタイミングでトイレにも行けないのに、夫はお風呂さえ終えれば自分の時間が持てるなんてずるい

転勤で知らない土地に連れてこられて私はひとりぼっちで子育てしなきゃならない

それなのに実家もろくに頼りにならない

そうやって悲劇のヒロインになりきってコンビニまで辿りつくと一旦泣くのをやめて、発泡酒一本とつまみを買って帰った。

家で待っていた夫が少し驚いていたけど「ちょっと疲れたから」とだけ言って、離れたところに座りもくもくと発泡酒とつまみを交互に口に運んだ。

一通りやさぐれて、ふてくされると意外なほど落ち着いた。
翌日にはすっきりしていて、いつも通りの生活が送れた。


これまでやってきたリフレッシュは、幅広いように見えて実はどれも品行方正な類のものだった。
リフレッシュに限らずうつ改善のために取り組んだ、早寝早起きもバランスの良い食事も何もかも「良いこと」ばかりだった。

さらに母親としての毎日は「良いこと」づくめだ。子供を連れて行く場所は公民館に図書館に子育て支援センター、あとはせいぜいスーパーくらい。ママ友との話題も子育てのこととか、どこのスーパーが安いとか、たまに旦那の愚痴を言い合うくらいで平和な会話ばかり。

健康的でお行儀よく過ごす毎日は、それなりに快適だ。


だけどそれは自分の側面の1つであって、決してそうじゃない面も持っている。

夜通しお酒を飲んだり、人の悪口を言ったり、無駄遣いしたり、くだらないこともたくさんしてきた。褒められたことではないけれど本音や感情がスムーズに出る瞬間でもあった。


うつ病患者として、母として、毎日「正しく」生きようとするあまり、そういう自分を押し殺してしまっていたから何をしても物足りなく感じるようになっていた。

毎日毎日、優等生を演じているようで自分に嘘くささを感じていた。

たまにやさぐれて、ふてくされて、自分を甘やかしてあげるのが私にとってはリフレッシュになるのかもしれない。