頭の中が忙しい

自閉症スペクトラムと付き合いながら今日も育児をがんばる日記

夫が遠くなっていくのはなぜか

この間、転勤してきて初めて夫の会社の人たちに会った。仲間内で開かれた家族連れOKの食事会に呼んでもらえたのだ。

最初は同じくらいの子供がいる「ママ」と固められてその人とだけ話をしていた。
とても感じのいい人で、子供の話題で盛り上がることができた。
しかし先にその家族が帰ることになり、私と子供以外は全員夫の会社の社員だけになった。だから否応がなく社員の人たちと会話をすることになった。


会社での仕事の話や同僚の話に耳を傾けたり、私の前職や出身校を聞かれたり、といった何気ない話がとても新鮮だった。

本当に久しぶりに、子供越しではない話題を他人と話した気がする。

ちょっとブラックな話題になったり、頭を使う内容だったり、大人同士の会話だった。

夫は毎日こういう人たちと話をして、仕事をしているのか…と一緒に暮らしているのにとても遠い存在のような気さえした。
最初に話していた「ママ」との会話は、いつも子育て支援センターで繰り広げられる定型文のような会話そのもので、物足りなく感じていたことに気がついてしまった。

子育てに追われる日常から離れリフレッシュになった反面、なんだか社会から取り残されていることを実感させられたようでその日の夜中は少し不安定になってしまった。

翌日、精神科の通院日だったのでこのことを先生に話してみた。
先生は若い男性なのによく理解してくれた。


一番印象的だったのは夫婦間の温度差についての話だった。
結婚するとき「専業主婦」と結婚する人はいなくて、お互い社会人同士で結婚しているからそれなりに価値観も会話も合う。でも結婚出産を機に奥さんが退職すると世界が全く違ってしまい、年を重ねる毎に価値観がズレていくのは当然。

それを寂しく感じてしまうなら、来年にでも働きに出てもいいと言ってもらえた。

子育て以外の世界と接する時間を持つことでメリハリがつくし、経済面でもプラスだし。

小さい子を育てながらの就職活動は大変とは言うけれど、若い人の労働力が不足している世の中働き方はあると思いますよ。

そんな風に前向きに言ってもらえた。


子育ては大変だけれど、私は子供がかわいいし離れたいと思っているわけでもない。だけど、社会人として積み上げてきた日々が完全に断ち切られて過去になってしまうことが悲しい。一人の大人として、能力や関心に応じて扱われる時間が欲しい。