頭の中が忙しい

自閉症スペクトラムと付き合いながら今日も育児をがんばる日記

母と娘の距離感

色々なママたちと話していると意外と里帰り出産しなかったという人によく会います。

私自身、うつの根本原因が母との関係にあるので実家とは少し距離を置いていて、里帰りはしませんでした。

付き合いが浅いうちはみんな、お母さんもまだ仕事していて忙しいから〜とかうちは田舎だから〜と当たり障りのない理由を並べますが、関係が深まってくると実は母親との関係があまりよくないことが本当の原因だと打ち明けてくれる人がちらほら出てきます。

多いのは自分自身が長女でお母さんの愚痴を聞いて育ったというパターンです。

両親が離婚していて働きづめだった母親の愚痴を聞いてあげて育った人、キャリアウーマンだったお母さんが育児のために専業主婦になりその後悔を聞いて育った人…

私の場合は都会育ちの母親が父の地元に嫁いでうまく馴染めなかったので、その愚痴をよく聞かされていました。

事情は様々でも、みんな共通しているのは、お母さんが孤立していること、娘がそれを察して寄り添いすぎてしまったこと、だと思います。

小さい頃から自分がお母さんを支えてあげないとと思って育ち、だんだんとそれが重荷になって大人になって距離を置いた人って意外なほど多いんだなと思います。

私はうつになって自分の親が「毒親」だと思うようになり、親に対する恨みを抱くとともにそれでもまだ親が好きだという複雑な気持ちを抱えてきました。

しかし、自分が親になってみて、母親って思っていた以上に孤独だと気がつきました。

一緒に子育てをしているはずの夫には、家庭の他にも仕事という居場所があります。そして、多くの場合夫の地元や職場に合わせて住む場所も決まります。だからママ友以外の知り合いが近くにいないという母親はすごく多いです。

それまで築いてきた人間関係もキャリアも寸断されて、子育てに追われるという状況ではストレスを抱えてしまうのは仕方のないことだったんだな、と自分の母親に対しても思うようになりました。

そして、一番近くにいる長女に対して愚痴の相手を求めてしまったんだろうし、「やりがい」も子育てに集中して長女を優秀な作品として仕上げたいと過度なプレッシャーをかけてしまったんだろうなと想像しています。

そうなってくると、長女はもはや自分の身体の一部みたいに思えてくるのかもしれません。

そういう距離感のなさがしんどくて、出産のときも母親を頼れなくなる人が多いのではないでしょうか。

毒親」という言葉が浸透し、母の娘が適度な距離感を持たないといけない、という認識も広まってきていると思います。

しかし、まだまだ母親側が気をつけて子育てするとか、娘側が母親と距離をとるとか、当事者だけの努力で改善するべき問題と思われがちです。

でも、根本的に子育てをする母親がが孤立しない仕組み作りが必要なんじゃないかと思うんです。

子育てしながら働ける仕組み、地域の人と関わりながらみんなで子育てする仕組み、そういうのが整えば「毒親問題」も自然と解消していくんじゃないかなと思います。