頭の中が忙しい

自閉症スペクトラムと付き合いながら今日も育児をがんばる日記

産後シェア

私は産後3週間くらい経った頃から心身ともに不調を感じ始め、産後2ヶ月くらいで精神科にかかり産後うつの診断を受けました。

それは全く想定外の出来事ではありませんでした。
妊娠前に何年もうつに悩まされていたこと、発達障害の影響で急激な環境の変化やホルモンバランスの変化に弱いこと、親のサポートが受けられないことが重なっていたので、自分でも産後うつになるリスクは高いだろうなと思っていたからです。

それで妊娠中から市の子育て支援機関に相談をし、市のカウンセラーを紹介してもらってこまめに悩みを聞いてもらっていました。

出産直前に夫の転勤で引っ越すことになり、これはますます産後うつの危険が高まったと感じたので、引越し先の自治体でもサポートを受けられるように事前に相談をしていました。
しかし、引越し先の自治体は母親をケアする体制が手薄でカウンセラーもいなければ、話を聞いてくれる職員もいませんでした。


一応保健師さんが相談に乗ってくれるとのことでアポをとりましたが、離乳食の進め方とか、もく浴の仕方とか、子育てに関する相談には乗ってくれるものの、精神面の不安については専門外とのことで病院にかかってくださいの一点張りでした。

病院についても、引越し前の主治医に紹介状をもらい新しく探しました。しかしどこも予約でいっぱいで、最短でも予約が取れるのは3ヶ月先と言われました。その頃には出産も終えている頃で、外出できるかもわからない状態だったので結局予約もできませんでした。

自分なりに手は尽くしたのに、ほとんどサポートが受けられず、結局予想した通り産後うつの症状が出たので、悔しくてたまりませんでした。それに引越し先で誰にも手を差し伸べてもらえなかったという気持ちになり、強い孤独を感じ、よりうつに拍車がかかりました。

うつが酷くなるにつれ、子供と2人きりになると震えと過呼吸が起こるようになりました。これはもう限界だと感じ、市の保健師に電話をしました。症状が強く出ているときだけでも子供を見てもらえる機関を紹介してもらおうと思ったのです。

しかし、保健師の回答は「市の一時預かりは生後6ヶ月以上からという規定になっているので利用できません。それまでなんとか頑張ってください。」と言うものでした。

しかしこの時子供は生後2ヶ月。根性だけであと4ヶ月耐えるのは無理だと思いました。

それでしつこく食い下がったところ「どうしてもというなら児童相談所に自分で通報してください」と言われてしまいました。

こんなに危機的な状況になっても助けてもらえないんだ、と絶望的な気持ちになりました。

引越し先でも少しずつママ友ができるにつれ、色々なところから引っ越してきた人たちとも知り合うようになりました。
都会から来た人たちが口を揃えて言うのは、前に住んでいた所では産後の母親のケアがもっと充実していた、ということです。

例えば名古屋では、産後シェアという制度があるそうです。

自分の子供を連れて母親たちが集まり、そこで他人の子供も一緒に面倒を見るシステムだそうです。
ポイントはボランティアではなく料金をとるところ。その分預かる側には明確に責任が発生しますし、料金の一部を利用して保険にも入るので万が一の際も安心です。また料金を払う分、利用する側も精神的なハードルが下がります。

既存のファミリーサポートや一時預かりだと、1ヶ月単位での予約が必要なので緊急時に対応できません。手続きも煩雑で敷居が高く感じ、なかなか利用する気になれません。その点産後シェアだと、顔見知りの母親同士で必要なときに預かったり預けたりという持ちつ持たれつの関係になります。
だから母親が体調不良のとき休んだり病院にかかるために利用できるし、ちょっと子供を預けて用事を済ませたり、という使い方もできます。

それにこの制度を通して母親同士の繋がりが生まれるので、孤立してうつになるのも防げます。

また、子供を連れて仕事ができるという点でも母親が社会との繋がりを維持するのにも役立っています。

こんな風に、気軽に「ちょっと見てて」と子供を預けられる体制が整えば育児の難易度ってかなり下がると思うんです。

なかなか人には言えないだけで、私のように産後孤独で助けを求めてた人ってすごく多いんじゃないかと思います。

同じように苦しむ人を出さないために何かできることはないかな?と最近考えています。