やりがいの分散
私は妊娠と夫の転勤を機に退職をし専業主婦になって2年近く経ちました。
もともと私は専業主婦になる気なんてさらさらなく、落ち着いたら再就職しようと思っていたのですが現実は厳しいものがありました。
まずは厳しい保育園の入園。そして入園できても、結局送り迎えや家での家事育児は母親がメインになりがちで、その分仕事では時間や体力をセーブしておかなければなりません。
また夫の転勤がいつあるかわからないという点でも正社員での採用はかなり厳しいと思います。
そう考えると、私は仕事を選べる立場ではなく、やりがいとかこれまでのキャリアとの連続性なんて求められないだろうと思います。
妊娠前までは、総合職として男性と同じようにバリバリ働ける立場にいたのに、立場が急転落し悔しさでいっぱいでした。
こんなことなら受験勉強や就活を頑張る必要なんてなかった、すべて無駄だったとまで思いました。
最近、勝間和代さんの『会社に人生を預けるな』という本を読んでいます。
一見、起業しろ!みたいなことが書いてある過激で意識高い系な本のようですが、内容は「リスクの測り方と取り方」についての本です。
この中で、勝間さんは「やりがい」も資産と同じように分散して持っていくべきだと述べています。
バリバリ働いてきた人が定年退職した途端やりがいを見失ってボケてしまったり、子育てを生きがいにしてきた人が子供が巣立った途端うつになってしまう…というようなことがありますが、それはやりがいを一極集中しすぎたための結果と言えます。
私の場合も受験勉強や会社の仕事で成功することが強い生きがいでした。そしてそれ以外の時間は単なる息抜きに過ぎませんでした。
そのために、「バリバリ働けない」という状況に過度に絶望的な気持ちになっていました。
今、私の関心事の一つが産後のお母さんたちのケアです。私自身が産後うつに苦しんだ経験から何かできないかなと考えていて、色々なサービスを事業にする妄想をよくしています。
しかし、実現するのは簡単ではないし、正社員で働いて得られる給料ほどの利益を得るのはとても難しいでしょう。
だから所詮は暇な主婦の趣味みたいなもんにしかならない、馬鹿馬鹿しい、と思ってきました。
だけど、例えば利益があまり出なくても、ライフワークとして事業をやっていければ、「やりがい」の一つにはなるはずです。
そして仕事の面であまり「やりがい」を得られなくても、生活全体でみると収入とやりがいは合格ラインまで持っていけそうな気がします。
私はこれまで自分の学校とか会社とか家族とか、一つの所属先にすべてを求めすぎていて、完璧に満足できる居場所がみつからないと悩んでいたんだと思います。
それに気がついた今、就職先にしろライフワークにしろ完璧を求めず少しずつやりたいことに近づく手段として選んでいけそうだなと思います。