頭の中が忙しい

自閉症スペクトラムと付き合いながら今日も育児をがんばる日記

大変なのはこれからよハラスメント

私はつわりがとてもきつかった。2ヶ月くらいほとんど起き上がれず、体重も5.6キロ減った。

テレビをつける気力すらなく、寝たきりでスマホ片手に「つわり いつ 終わる」「つわり 週数 いつまで」とか検索していた。

役に立つ体験談もあるにはあったけど、結構目に付いたのは「本当に大変なのは妊娠後期ですよ!がんばって!」とか「産まれてからの大変さに比べたらつわりなんてかわいいもんです笑」みたいな意見だ。

私はこういうことを言うのを勝手に「大変なのはこれからよハラスメント」と呼んでいる。


このハラスメントは出産が終わるとますます多くなる。

新生児〜2ヶ月くらいまでうちの子はずーっと抱っこしていないと泣いていたので手首が腱鞘炎になって辛かった。

そんな時少し月齢が上の子のママに「今抱っこ大変なんて〜これからどんどん重くなるよ」と言われ暗澹たる気持ちになった。

「おっぱいをちょっとずつしか飲めなくて1日中授乳してる状態で…」というママに対して「離乳食始まるとおっぱいだけのころはよかったと思うようになるよ〜」

という場面も見たことがあるし、果ては、

「赤ちゃんのころなんてかわいいからいいけど、高校生になれば反抗するわ、弁当作りに追われるわ、部活に駆り出されるわもっと大変!」なんてことを言われたりもする。

確かにどれも実体験から出た本音なんだと思う。

でも、そんなことを言うことに何の意味があるのか。これから20年くらいどんどん辛くなる日々が続くのか。そんなの絶望しかない。


でも冷静に考えて、そんなわけないじゃないか。
抱っこについて言えば、確かに子どもの体重は日増しに増えて今では新生児の頃の3倍くらいある。抱っこ紐をずっとしてたら肩が爆発しそうになる。

でも、おすわりやはいはいができるようになり一人遊びもできるようになってきた。抱っこしている時間は確実に減っているし、首もしっかりしているからそんなに慎重にささえなくても大丈夫。

現にいつの間にか手首の腱鞘炎は治っている。


離乳食だって作るのは手間がかかるし、食べてくれなくて悩むこともある。でも、食べた量が目でわかるし工夫のしようがある分おっぱいの出が悪いときより気が楽でもある。


こんな風に、少しずつだけど着実に子供は成長していて、できることは増えている。楽になっている部分は絶対ある。


出産、育児の辛い記憶って本当に忘れる。つわりがどんな辛さだったか、妊娠後期お腹が張る感覚がどんなだったか、出産の痛みがどれくらいだったか、そんなに過去でもないのにぼんやりしていて、遠い日の思い出みたいになりかけている。

誰だって体感では「今が一番大変」なんだ。

きっとそうじゃなきゃ子育てなんてやっていけないし、2人目3人目なんて作ろうと思えないんだろうな、人間うまくできているなと思う。

ただ今が一番大変!と他人に押し付けるのは違う。

少し振り返ってみて、自分がどう乗り越えたかを伝えれば済む話だ。共感するだけでも充分だ。

自分自身にとっても「乗り越えてきた」ことを再確認するのは、達成感とか報われた感の少ない育児においてプラスじゃないかと思う。