人の区別がつかないからbotに徹する
発達障害の人は感覚が過敏すぎたり、鈍感すぎたりして「ズレてる人」になりがちだと思う。
私の場合、人の細かい区別があまりつかない。
アラサー世代が高校生くらいのときに人気だった女優さんは、がっきーとか、沢尻エリカとか、堀北真希とか、戸田恵梨香とか、結構個性があったはずけどそれすらよくわからなかった。
だから、女子高生にありがちな「テニス部の山田先輩かっこいいよねー」的な会話なんて全然ついていけない。同じ制服着てて、シュッとしてるグループにいたらみんな同じだ。
さらにそこからAKBブームなんか起こったもんだから、見分けのハードルもより一層上がってもうお手上げだった。
でも世間のブームに関心がない子なんて一定数いたし、そういうポジションでなんとかなってきた。だから大して話題についていく努力もしないでのほほんと生きていた。
しかし、母親になって困ってしまったのが他の赤ちゃんの区別がつかないことだ。
支援センターとか育児イベントで出会うママたちはすごい。
うちの子を見て「色白いね〜」とか「顔小さいね」とか絶対褒めてくれる。
確かに言われてみたらそうかもと、こちらが初めて気づくような良い点を、的確に見つけてくれる。
やっぱり親として我が子を褒められるのって嬉しい。
だから相手の子も褒めたいなと思うんだけど、私は赤ちゃんなんてみんな
「ちっちゃいな」「赤ちゃんだな」
くらいの感想しか持ってなかったから、言葉がすらすら出てこなくて焦る。
そこで私はとりあえず赤ちゃんを褒めるボキャブラリーをストックすることにした。
母親同士の褒めあいの会話を聞いてとりあえず記憶。
次誰かに会った時、覚えたフレーズを使ってみる。
英会話番組の今日のキーフレーズを使ってみましょうのコーナーみたいに、とりあえず使えそうな場面をみつけたらすかさず言ってみる。
言えたら「やったー!ネイティヴに通じたー!」みたいな達成感。
そんな感じの努力で拙いながらなんとか褒めあいに参加できている。
気心の知れた友達夫婦に、実は赤ちゃんなんかどの子も同じに見えていること、こんな風にやりすごしていることを正直に言ってみたことがある。
「まるでbotだね」と笑われた。
ちなみに初宮参りを多くこなす神主さんは、とりあえず赤ちゃんを見たら「かわいいですね〜女の子ですか〜?」と両親に声をかけていると聞いたことがある。
たとえ男の子でも、お目めがぱっちりしているとか、女の子に間違われるくらいかわいいと好意的に解釈されるかららしい。
ママ友同士の付き合いって疲れるとよく耳にするけど、案外不快にさせない程度に適当にやっている人もたくさんいるんじゃないかという話でした。