頭の中が忙しい

自閉症スペクトラムと付き合いながら今日も育児をがんばる日記

母親になるとセーブデータが飛ぶ問題

夫、子ども、数人のママ友、精神科の先生、整体の先生


私の今の世界のすべて。


私たち家族は、子どもが生まれる直前に縁もゆかりもない土地に転勤になった。

当然私は仕事も辞めた。


旦那はとてもよく子育てを手伝ってくれる方だと思う。

産後落ち着いてきた頃「俺が子ども見ててあげるからおでかけしてきたら?」と言ってくれた。

その言葉は素直に嬉しかったが.

「どうやってリフレッシュすればいいんだろう?」と戸惑った。


子ども抜きで遊べる友達なんていない。

出かけようにも、土地勘もなければ田舎で買い物する場所なんてイオンくらいしかない。

そもそも無職だからお金もほとんど使えない。


「あー、私ひとりぼっちだ」


それから必死に行政の子育て支援のイベントに参加したりして、コミュ障ながらもママ友を作ったし、そのつながりで子連れで行けるヨガとか整体とか行き場も見つけた。


でもなんか虚しい。


やっぱり仕事がしたい。


そう思って行政がやっている「子育て女性の就労支援相談会」に行ってみた。

ハローワークのようなところを想像して行ってみたら、全然ちがう。

聞かれるのは、子どもの年齢、子どもの預け先はどうするのか、と言ったことが中心で私自身のことなんて年齢くらいしか聞かれなかった。


私がこれまでどんなことを学び、どんな仕事をしてきたかなんて全く関心を持たれなかった。


そして、「イオンなら託児所があるし接客パートは年中募集してるからあなたでもやれるわよ」という結論に終わった。


ショックだった。


この体験をママ友とか母に話しても「預け先ないもんね〜大変だよね〜」で終わってしまう。


「どうしても働きたいなら旦那さん休みのときにパートしなよ!ほら家の隣の100均だし!」


と話が噛み合わない。


出産して一度仕事を離れると、キャリアがリセットされてしまうことを痛感した。


そりゃあ、子どもの預け先は現実問題真っ先に考えなきゃいけないことだし、前の会社なんて辞めてしまった以上今更関係ないと言われればそれまでだ。


生活がどうしても成り立たないわけじゃないのに、小さな子がいる母親がわざわざ再就職なんて贅沢なのかもしれない。


でももし、主夫をやった男性が仕事復帰しようとしたら同じことを言われるのかな?

多少ブランクがあっても、前職の経験に基づいて、正社員で働く前提で話が進むんじゃないかと思う。


母親だってこれまでやってきた仕事の経験が無かったことにされるのはやっぱり悲しい。


仕事だけじゃない。

ママ友付き合いが人間関係のすべての今、自分たち自身の話ってほとんどしない。

私はフィギュアスケート名探偵コナンが大好きで録画してるし、キャンプに行くのも好きだ。そういう子どもじゃなくて自分自身の興味関心の話だってしたい。


母親になり、出産前のセーブデータが全部飛んでしまったような日々は虚しい。