毒にも薬にもならないものはおまじない
子育てをしていると自然派の人に出会う。
というか、今までそんなこだわり持ってたの?!とびっくりするような人まで添加物やら手作りやら言い始める。
別に自分の子供のためを思ってやるぶんには自由だと思うけど、こちらにまで「そんなんで大丈夫なの?」と牙をむくことがあるから厄介だ。
なぜ母になった途端自然派に傾倒し始める人が出てくるのか。
私は子供の頃、アトピーやアレルギーがひどくて入院もした。うちの母は私を連れていった病院で、「お母さんが添加物まみれのものを食べてきたせいだ」とか「化繊の入った服なんて着せるからだ」と散々責められたらしい。
それから母は神経質になって、食べ物にこだわったり高額な漢方を煎じて飲ませたりしだした。アレルギー関係の本もよく読んでいたようだ。
当時、『買ってはいけない』という本が流行っていて、名指しでこの商品にはこういう毒が入っている!と書かれていた。
その本を読んでから母には、市販の洗顔料なんか絶対使うな!とか桃の天然水なんか飲んじゃだめ!とヒートアップした記憶がある。
確かに添加物は避けるに越したことはないし、子供に触れさせるものは安心できるものをと考える気持ちはわかる。
だけど、子供たちは一生無菌室で生きていくわけではない。
私は育児のゴールは、現実の社会で生きていけるようにすることだと思う。栄養の大切さも教えるけど外食の楽しさも教えたい。掃除はするけど、菌にも触れさせる。
先日、高須医院長がガンを公表したときに、自然派(抗がん剤などの治療法に反対の人)が断食とか自然療法を試さないのかと聞いたことがあって
twitter.com断食なんかしたら癌患者は死にます。癌は消耗戦です。栄養の予備力があるから戦えるのです。
— 高須克弥 (@katsuyatakasu) October 2, 2018
長期戦を戦える癌患者は例外なく断食していません。
毒を薬として使うのが医学です。
毒にも薬にもならないものはおまじないです。 https://t.co/0vjA7QGh70
「毒を薬として使うのが医学です。
毒にも薬にもならないものはおまじないです」
と回答していた。
なんだかとても納得させられた。
アレルギーならステロイドが槍玉にあげられることは多いけど、症状をコントロールする上で必要な場面は絶対ある。
治すには本人や家族の努力は必要だけど、治らないのは努力不足というのは絶対ちがう。
必要十分の関係を履き違えがちだけど。
うつにしろ、アレルギーにしろ、苦しいときは薬とか専門家とかにもっと気軽に頼れる風潮になるといいなと思う。